The Dream Of The Blue Turtles

 

「The Dream Of The Blue Turtles」(Sting)のレビュー

レビューを読むのが好きです。共感すること、されることというのはそれなりに嬉しいものです。先日Essential Phoneのレビューを書いてそのブログ記事に修正加筆する形でホームページを作っていくことにしたので、CDについても書いていこうと思います。

このCDは僕が初めて買ったCDです。今からだいたい4年位前に買いました。Stingの曲はそれ以前から親の影響で聴いていて、その頃は特に意識して聞いていなかったのですが、大学生になって一人暮らしを始めてから「Stolen Car」を聴きたくなり(その頃は曲名も知りませんでしたが)、いろいろ調べて発見し、他の曲も気に入ったので1作目のこのアルバムから買い揃えていくことにしました。

https://open.spotify.com/track/6i9Zj5kIB0yisj5zsR40vf
Stolen Car
  1. If You Love Somebody Set Them Free
    アルバム一曲目で最初にシングルカットされた曲。オバマ元大統領がジムでトレーニングするときに聴いている曲リストに入っていた気がする。穿った見方をするとソロ活動1作目の1曲目ということでわかりやすい曲を最初に持ってきたかなという感じもするが、バックボーカル、サックス、キーボードといったPolice時代とは違う音を効果的に取り入れて新しい方向へ挑戦していく意志が見えて良いです。
  2. Love Is The Seventh Wave
    明るい雰囲気の曲でバンドメンバーそれぞれが前に出てくる場面があって面白い曲であるが、全体の中で見ると少し浮いているような気がする。
  3. Russians
    1,2曲目は明るい曲が続きましたが、3曲目は一転して重苦しい政治的メッセージが強い曲です。次のアルバムに収録されている「They Dance Alone」もそうですが、遠回しに政治的メッセージを含ませるのではなく政治家の名前を出して名指しで批判するところがロックです。
  4. Children's Crusade
    暗めの曲が続きます。Stingはソロ活動前はThe Policeで活動していましたが、方向性の違いや仲の悪さでバンドが解散します。この曲のような暗めの曲はPoliceにはなく、こういった曲をやりたかったんだなあと感じます。この曲のタイトルChildren's Crusadeは日本語では少年十字軍のことです。1212年の少年十字軍は聖地奪還に向かう途中、船を斡旋した商人の陰謀によりアレクサンドリアで奴隷として売り飛ばされてしまいます1)。この曲ではこのような事例は現代(1984年当時)にも存在するとして、第一次世界大戦と1984年のロンドンでの若者の薬物依存を挙げています2)。曲中のpoppyはそれぞれの部分で異なった意味を持っていて、第一次世界大戦の部分では戦没者の象徴であるremembrance poppyを、1984年の部分ではヘロインの原材料であるケシを意味します2),3),4)。教養がないので意味が分からずに聴いていましたが、今調べて初めて知りました。
    1)『Wikipedia』「少年十字軍
    2)『Songfacts』「Children's Crusade by Sting
    3)『SongMeanings』「Sting - Children's Crusade
    4)『Wikipedia』「リメンブランス・デー
  5. Shadows In The Rain
    Policeの曲のセルフカバーです。より疾走感のある曲になっています。僕はこっちのほうが好きです。
  6. We Work The Black Seam
    石炭火力発電から原子力発電へのシフトに対する批判の曲です。タイトルのSeamは継ぎ目という意味で、おそらくthe Black Seamは石炭鉱を指しているものと思われます(邦題は「黒い傷あと」ですが)。ただこの曲でなぜC14が言及されているのかは不可解です。そういえばこの前横浜の石炭火力発電所である磯子火力発電所に行きました5)石炭は技術によってクリーンなエネルギー源として利用できるそうです。
    5)『K鳴狗盗』「横浜: 磯子火力発電所ほか
  7. Consider Me Gone
    落ち着いた曲。残念ながら感想があまり出てこないが、こういう曲はStingらしくて良いと思う。
  8. The Dream Of The Blue Turtles
    アルバムタイトルになっている、1分ほどのインスト曲。短い曲であるがアルバムの中盤と終盤の境目になる曲で、この曲を聴くといよいよ終盤だなという感じがする。
  9. Moon Over Bourbon Street
    歌詞カードによると、This song was inspired by "Interview With A Vampire" by Anne Rice ということらしいです。この本の内容は知りませんが、満月の見える通りと苦悩する男の情景が浮かんできます。
  10. Fortress Around Your Heart
    このアルバムの中では一番のお気に入りの曲です。Fortressは砦という意味です。静かに始まってサビの部分で盛り上がってくるわけですが、サビの部分のなんとなく悲しい響きと最初から最後まで続く重く低いベースが良いです。

CDのレビューを始めて書いたけど、特にChildren's Crusadeでは曲の意味を知らずに聴いていたのを調べる機会になって良かったです。このアルバムは全体としてPolice時代の雰囲気とジャズがうまく融合されていて1曲目から10曲目までの構成も良いので、If You Love Somebody Set Them Freeだけが目立ちがちなのが少し惜しい気もします。

https://open.spotify.com/album/17mrdCgqrWfqpJlaCNGCdF
The Dream Of The Blue Turtles

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