中国への移住 2

飛行機は予定通り杭州蕭山国際空港に着いた。中国に来たのはこれが初めてだった。入国カードを書かずに入国審査に行ってしまったので、並び直すことになって、かなり時間がかかった。入国審査や税関など、いつもよく分からない。税関でキャリーバッグがX線検査に引っかかったので中身をチェックされた。書籍が怪しいと思われたらしい。書籍の中に何か仕込んでいると思われたのか、書籍の内容が当局の意向に背くものではないか確認したかったのか。持っていた書籍は全て宇宙物理の教科書だったので何も言われなかった。

空港から市内までは地下鉄一本で行ける。この日は大学近くのホテルに泊まった。次の日に大学の秘書に会って、家を見に行った。教員宿舎の空き物件を2つ紹介してもらったが、片方はユニットバスが三鷹寮くらい狭かったので、もう一方に即決した。大阪にいた頃よりも少し安い家賃で3倍くらい広い部屋だ。建て付けが雑なのは気になるが、大学の目の前の立地で10階の部屋なので、十分良いところに住めていると思う。家賃は1年分まとめて請求されたが、払うのはいつでもいいらしい。電気代や水道代は別途払う必要があるはずだが、払い方はまだ分からない。

研究室のデスクも割り当てられた。ポスドク部屋で、他の人たちは別の分野の人たちらしい。大学にはいくつかキャンパスがあり、研究室は玉泉キャンパスの物理高等研究所にある。学部や大学院に相当する物理学院は紫金港キャンパスにあり、最近ようやく分かってきたが、ボスや学生たちはもちろんのこと、同じ研究グループのポスドクたちも普段は紫金港キャンパスにいるらしい。紫金港キャンパスは最近校舎を建て直した新しいキャンパスだが、玉泉キャンパスの方が自然豊かで居心地が良い。

僕は普段は玉泉キャンパスで研究をしていて、週に2回ほどミーティングに参加するために紫金港キャンパスに行く。キャンパス間はシャトルバスで40分くらいで行くことができるが、昼間だと1時間に1本しかなく不便なので地下鉄を使うこともある。帰りの時間帯は教員専用バスが運行されていて、時刻表には学生请勿搭乘と書いてある。他の人たちが乗る時は何も確認されていないのに、自分の時だけ何か、多分このバスは教員専用だと言われる。自分は教員ではないので乗っていいのか分からないが、我不是学生(wo bu shi xue sheng)と言ったら乗せてもらえた。Duolingoでの学びが活かされた。自分だけ声をかけられるのが何故なのかは謎だ。


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